日本が直面する3つの課題

Iconic view of Daigoji Temple in autumn. Kyoto, Japan. A World Heritage Site since 1994

グローバル・フィデューシャリー・シンポジウム代表を務めるクリス・バッタリア氏は、日本の大手年金基金や資産運用会社と18年間仕事をする中で、日本の退職金制度の課題、その進化を観察してきた。

日本には、経済と社会保障制度に大変深刻とされる人口統計上の課題が3つある。 急速な高齢化、少子化、そして急速な人口減少を食い止めるための移民政策の不在である。こうした問題点はよく知られるところだが、人口統計の規模や範囲を見ると、これらの問題点は現時点では予想以上の速さで進行している。日本は60歳に達した人の平均余命が世界最長であり、国民年金、厚生年金制度共に、その年金長期債務は増大化、長期化している。老いを嘆くビートルズの名曲 “When I’m 64 “が作られたのは50年以上も前のことだが、日本では”When I’m 84!”と直した方がいいかもしれない。

人口統計の世界的な専門家であるアムラン・ロイ氏によれば、こうした課題は、日本の年金制度のレガシーとも言えるDBプランの持続不可能な給付の確約によって増幅されているという。この持続不可能な給付の確約は、日本や他国の高齢化社会に苦痛を強いるのみならず、はるかに若い世代の負担でもある。若い世代では、政府主導の年金制度や企業型DCプランと並行して、NISAやIDeCoプログラムのような退職後に備えた個人貯蓄や個人投資とのバランスを見つけるのに苦労している。

日本は401(k)の進化や資産運用ビジネスの改善など、間違いなく前進を続けている。パナソニックなど多くの日本の大企業が確定拠出年金制度の追加で成功の兆しを見せており、岸田文雄首相は外資系資産運用会社に日本での事業拡大のインセンティブを与えることで、日本の資産運用ビジネスをより良くしようとしている。これにより、資産運用ビジネス界での競合が激化し、「貯蓄家」として有名な日本の人々が投資家に変わることが期待されている。

日本は多くのアジア文化と同様、長期的な視野を持つとされており、年金投資の戦略においてもそれは変わらない。一例として、GPIFのような日本の大きな年金制度が欧州の公的年金基金と比べてはるかに低い名目目標リターンで運営維持されているという点は、欧米諸国の多くの投資家にとっては興味深いであろう。

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世界の多くの公的年金制度が7%以上のリターンを目指し続ける中、GPIFはその半分以下のリターンを目標に、年金制度と受益者のための持続可能なプランを構築してきた。手数料重視、また揺るぎない長期的アプローチを重視し続けるGPIFは、年金運用とは資産運用収益の最大化を目指すというよりも、勤勉かつ規律ある年金債務の管理を根幹としていることを思い出させてくれる。

アムラン・ロイによれば、demographics(人口)という言葉の語源は、ギリシャ語のdemos(「人々」)と、graphy(「人について書く」)の2つの語源からできている。経済や年金・退職金制度のような社会制度について考えるとき、この「demographics(人口)」は(20〜70歳のレンジで)消費者と労働者という2つのカテゴリーに分類される。日本において、確定拠出年金制度への移行が進み、GPIFのような年金管理が維持される中で、日本が「高齢化」と「人口減少」という固有の課題にどのように取り組み、また、国、政府、社会にとってあらゆる経済的成果を左右する「消費者」と「労働者」をどのように管理しているのか、我々には学ぶべき点が多い。

本サイトでは、11月に東京で開催されたグローバル・フィデューシャリー・シンポジウムの模様をお伝えします。本シンポジウムは、主な年金投資ソリューションや、日本および世界の年金改革に関する最新情報をご提供しました。Top1000funds.comは本シンポジウムのメディア・パートナーです。

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